チワワを飼育する上で注意すべきこ

日本で【飼い犬】と言えば真っ先に思い浮かべる人も多いチワワ。その愛らしい姿の虜になってしまう人も多いのではないでしょうか?しかし、実際に飼育するとなれば注意すべき事はたくさんあります。

そこで今回はチワワを飼育する人向けに、注意点やかかりやすい病気について解説していきます。

目次

そもそもチワワってどんな犬種?

チワワを飼育するには、【そもそもチワワってどんな犬種なのか】という根本的な所から知る事が必要だと思います。まずはチワワについて簡単に見ていきましょう。

チワワは南米メキシコを原産地とする、認知されている中で最も小さな犬種です。チワワという名前もメキシコにある【チワワ】という町で発見された事が由来となっており、その後にアメリカにて種の固定化と品種改良をした事で現在のチワワの基礎が出来上がりました。

日本では1970年代に飼育が可能となり、可愛らしい見た目と飼育のしやすさから日本でも広く受け入れられており、現在でもトイプードルに次いで人気な犬種となっています。ただし、遺伝性の病気にかかりやすい点や無理な繫殖などの人気故の問題点も抱えており、飼い主には真摯な飼育が求められています。

チワワを飼育する上で勘違いされやすいこと

チワワは数ある犬種の中でも【超小型犬】という特徴を持っており、そのためか誤った知識を持った人も少なくありません。

ここでは、特に勘違いされやすい【運動量】と【性格】について見ていきましょう。

散歩は必要ない?

チワワは小型犬の中でも特に【超小型犬】であるため、一日に必要な運動量も少なめです。そのため、一部では「チワワに散歩は必要ない」という声が挙がっていますが、これは半分本当で半分ウソです。そして、この認識の差は飼育においてかなり大きな差となっています。

確かにチワワの運動量は少なく、散歩にしておよそ2kmで十分だと言われています。このくらいなら室内でも賄える量ですが、そもそも散歩はただ運動するだけではありません。ストレス解消はもちろん、広い外の世界で社会性を学ぶ事も大きな目的です。

外の世界を知らないまま育つと、危険な動植物がどんな物なのか知らないままだったり、逆に危険ではない物まで警戒するようになってしまいます。最悪、それが原因でトラブルになる事もあるため、教養のためにも散歩は必須です。

大人しい犬種?

チワワは大人しそうな印象を受けますが、実際の性格は好奇心旺盛で独立心もあります。また、可愛らしいイメージとは裏腹に勇敢であり、大型犬などの自分よりも大きな動物にも臆することなく立ち向かおうとします。そのため、特に子犬時代に目を離してしまうのは非常に危険です。

また、子犬の時に甘やかされて育ったチワワは、気に食わない事があったら噛み付くなどの問題行動を取るなどの社会性の欠如した犬になるとされています。実際、大人しそうな外見を気に入って飼育しようとしたものの、部屋中を荒らされたなんてケースも珍しくありません。他の犬でもそうですが、イメージではなく知識を持って飼育に当たるよう心がけましょう。

チワワを飼育する上で注意すべきこと

ここからは実際に飼育する中で注意すべき事について見ていきます。

チワワは寒さに弱い犬種

チワワは身体が小さい上に南米メキシコ生まれのアメリカ育ちだった歴史から、【最も寒さに弱い犬種】と言われるほど寒さに弱いです。日本の気候は安定していて過ごしやすいですが、それでも冬の寒さはチワワにとって脅威となります。

外ではなく室内が基本になるチワワにとって、エアコン等による室温調節は正に命に直結するほど重要な要素です。電気代やガス代を覚悟する事になりますが、基本的にエアコンは常時稼働させておきましょう。また、チワワは暑さに強いわけでもありませんので、常に過ごしやすい環境を維持してください。

子犬時代のしつけが大切です

子犬の頃のしつけは【可哀想】【虐待になるのでは?】といった厳しい目で見られがちですが、小さい時のしつけは成犬になった時の性格の基盤となります。そもそも犬はペットである以前に、鋭い爪と牙を持ったハンターです。子犬の頃に十分なしつけが出来ていないと、本能のままに相手を傷付けてしまう恐れがあります。

その牙が飼い主自身に向かうの問題ですが、何よりも他の誰かや物に向かう可能性があるのが大問題。事実、飼い犬が襲ってきて怪我をしたという事件は毎年起きていますし、その場合は弁護士を交えた法的処置のお話になります。そうなれば、飼い主や犬の生活にも影響が出てしまうでしょう。

飼い主である以上、犬のコントロールは出来てあまり前の責任です。もちろん虐待としつけの境界線は必要ですが、【しつけも含めた教育】はしっかり行いましょう。

チワワの発症率が高い病気

小型犬は身体の小ささや遺伝等の病気になりやすく、チワワも例外ではありません。ここでは、チワワが発症しやすい病気について見ていきます。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は【パテラ】とも呼ばれる関節疾患で、特にチワワなどの小型犬の発症率が高いとされています。膝蓋骨は膝にあるお皿のような骨の事で、大腿四頭筋の力を脛骨に伝える事で膝関節を伸ばす役割を持つ重要な部分です。

この部分が脱臼してしまうと、膝関節を伸ばせなくなり、後ろ足を曲げたまま歩くなどの異常が見られるようになります。また、脱臼はクセになりやすく、何度も脱臼してしまうと膝軟骨を削ってしまい痛みが生じます。最悪の場合、歩く度に痛みが出てしまい、まともに行動出来なくなる事も……。

膝蓋骨脱臼は事故によって発症するケースもありますが、小型犬の場合は先天性によるものがほとんどです。従って予防法と呼べるものはなく、【肥満状態にしない】【転ばないような環境を整える】といった方法を取る事が最も効果的とされています。

尿路結石症

尿路結石は私達人間にも馴染み深い病気の一つですが、犬にとってもよく発症する病気です。腎臓や尿道などの尿の通り道(尿路)に結石が出来てしまい、強い痛みが生じたり尿を物理的にせき止められてしまうなどの症状が見られます。結石の成分はいくつかありますが、チワワは尿酸塩が多いです。

治療しても結石を破壊するだけで根本的な解決にはならず、再発する可能性も高いとされています。また、一度結石が出来てしまうと再発を防ぐために療法食以外は食べれなかったりと、ある程度制限された生活を余儀なくされます。

気管虚脱

気管虚脱とは空気の通り道である気管のどこかが潰れてしまう事で呼吸が困難になる状態の事です。初期症状では空咳が多くなる、水を飲むときにむせるといった軽いものしかありませんが、症状が重くなるにつれて「ゼーゼー」といった苦しそうな呼吸をするようになります。

また、症状があまり強く出ないパターンもあります。これは一見すると良い事のように思えますが、病気そのものは着実に進行しているため、いきなり手遅れになるほど重症化する可能性があり非常に危険です。

対策としてはとにかく【少しでも】違和感があったら動物病院で診てもらう事です。

チワワを飼育する上で最も意識したいこと

チワワは愛らしい見た目をしていますし、忠誠心も高いため教育次第では良きパートナーとなってくれます。しかし、それは逆に言えば教育されていないチワワは社会性が無い問題行動を起こす犬になってしまう可能性があるという事です。

飼い主として、しっかりとした教育をした上で愛情も注いでいきたいですね。

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