数あるペットの中でも、愛くるしさと表情豊かな仕草で有名な『犬』。日々の生活に癒しをもたらしてくれる存在として、これから犬を飼いたいという人も多いでしょう。しかし、犬を飼うという事は命に対して責任を持つという事でもあります。
今回は犬を飼う前に準備したい事や、意識したい心構えについてお話していきます。
目次
犬を飼うなら意識したい心構え
犬は物言わぬ人形でも無ければ、決められた事だけ実行するロボットでもありません。ちゃんとお世話をして、最後まで面倒を見るべき『生き物』です。ここでは、そんな生き物を飼うなら意識してほしい心構えについてお話します。
犬の面倒を最後まで見る
犬に限った話ではありませんが、ペットを飼うのなら最後まで面倒を見る事が大前提です。犬の場合、平均寿命が12歳〜15歳と言われていますので、最低でもその期間中はずっと飼育する事になります。更に言えば、7歳あたりからは老化が始まるため、飼育というよりも介護の期間に突入します。その期間中は引越しや出張など、どんな事があっても犬を捨てるという選択肢を持ってはいけません、
現代社会において、捨て犬や捨て猫問題が深刻になっているのはご存じかと思います。捨てられた動物の行く末は、里親や保護団体を見つけない限り殺処分されてしまうからです。実際、環境省のデータによると2021年の犬の殺処分数は2,739頭、しかもこれは例年よりもかなり少ない数字とのこと。
ペットを飼育しないなら、この数字に対して「捨てるだなんて酷い!」と思うだけですが、飼い主になるのなら決して無関係ではなくなります。この数字に1頭増えるかどうかは、飼い主の皆様次第なのです。
犬を飼う事への責任を持つ
飼い主になるからには、犬に対する責任を持たなければいけません。それは命を育む責任という意味もありますが、ここでは『犬が起こしたトラブルの責任を持つ』という意味についてお話します。
犬は確かに可愛い動物ですが、本来は鋭利な牙で獲物を狩るオオカミを祖先とする危険な動物です。実際、飼い主の不注意が原因で人が怪我したり、車などの高価な物が壊されたといったトラブルも多く、裁判沙汰になったケースも珍しくありません。
飼い主になるからにはこういったトラブルを起こさないようにする事はもちろん、万が一トラブルになった時はきちんと責任を取る必要があります。
犬のしつけをしっかり行う
前項でも軽く触れましたが、犬のトラブルを防止するためにも、犬のしつけはちゃんとしていく事が大切です。しかし、しつけるといっても、正しいしつけ方を理解していないといけません。
正しいしつけ方とは、簡単に言えば甘やかさず、厳しすぎず、犬のためを思ってしつけるための知識を身に着ける事です。正しいしつけは犬のために必要ですが、誤ったしつけは虐待につながったり、効果が見込めない方法を永遠と続けてしまいかねません。
周囲のためにも、犬のためにも、ちゃんとした正しい知識の元でしつけを行いましょう。
犬を飼うなら注意しておきたい事
犬を飼育するというのは『家族』が増えるという事でもありますが、同時に人間とは別の生き物を迎え入れるという事でもあります。飼育環境や周囲への配慮など、今までの生活が一変するでしょう。ここでは、そんな注意しておきたい事についてお話します。
賃貸の場合はペット可の物件を選ぶ
まず大前提として、もし現在賃貸にお住まいの方は『ペット可』の物件かどうかを確認しましょう。当たり前ですが、賃貸は基本的に住民同士のトラブルを防ぐためにペットを禁止しています。自分が住んでいる賃貸がペット不可だった場合、ペットを飼育するためにはペットOKの物件に引っ越さなければいけません。
もしペット禁止であるにも関わらず飼育した場合、規約違反として追い出される可能性がありますし、住民同士でトラブルになった時も管理人は飼い主様を擁護できません。不要なトラブルを避けるためにも、ペットを飼育する場合は必ず『ペットを飼育できるだけの持ち家』か『ペット可の賃貸』で飼育するようにしましょう。
犬の生活を考慮した部屋にする
犬を家に招き入れた瞬間から、もうその家は犬の縄張りでもあります。今までの自分や家族が過ごしやすい環境から一転、これからは犬の生活を考慮した環境作りを心がけなければいけません。犬が動きやすいようにスペースを確保したり、怪我防止のために家具の配置を変えるなど、レイアウトの変更が必要になってくるでしょう。
また、ある程度部屋が汚れる事も想定しておいた方がいいです。トイレトレーニングの期間中はおしっこでフローリングにシミが付いたり、犬の被毛が辺りに散らかる事もあるでしょう。もちろん、そのままにしておくと衛生的に良くないため、小まめに掃除する必要があります。
犬と共に暮らすにあたって、部屋の環境作りはとても大切です。
周囲に配慮する
ご近所トラブルを避けるためには、『家の中での配慮』と『散歩中の配慮』の2つの配慮が大切です。
まず家の中での配慮についてですが、これは悪臭問題や騒音問題の対策の事です。小まめな掃除や換気で犬の独特なニオイが周囲に広がらないようにしたり、防音グッズを揃えて犬の声が外に漏れないようにしましょう。
続いて散歩中の配慮についてですが、こちらは糞便の掃除や人が通りがかった時の対応の事です。愛犬の糞はちゃんと回収するなどマナーを守り、人が近くにいる時はリードを短く持つようにしてトラブルを未然に防ぎましょう。
つまり、周囲に配慮するという事は、『トラブルの可能性を無くす』という事です。自分がされたら嫌だなと思う事は、相手にとっても嫌なはずです。飼い主として、周囲への配慮はしっかり心がけましょう。
自分の時間とお金が無くなる
今まで自分のために使っていた時間やお金を、これからは犬のために使う事になります。散歩は毎日行き、決まった時間にご飯を与え、スキンシップはかかさないようにするなど、ざっくり考えただけでもこれだけの時間を割かねばなりません。
そしてお金もご飯代やおもちゃ代はもちろん、病気や怪我などを想定した貯金も必要です。犬と一緒に生きるためにも、自分の時間やお金を、今度は自分と犬の時間やお金に変えていきましょう。
犬を飼う前に準備しておきたい物
犬を飼おうと決意しても、何の前準備もないまま迎え入れるわけにはいきませんよね。ここからは。犬を飼う前に準備しておきたい物についてお話します。
犬にとって最適な飼育環境
犬を飼うよりも先に、犬が快適に生活できるだけのグッズを買いそろえておきましょう。犬を迎え入れた後に購入しても大きな問題はありませんが、犬が家に馴染んでもらうためにも、なるべく早い段階で環境を整えてあげたいですね。
基本的に必須な物は『ケージ』『ペットマット』『寝床』『食器とドッグフード』『トイレ』『リード』『クレート』です。これらは日々の生活に直接影響するため、必ず購入しておきましょう。
他には、『ブラシ』『シャンプー剤』『爪切り』『歯ブラシ』などの衛生グッズも早めに揃えておきます。特にブラシや歯磨きは子犬の頃から少しずつ慣らしておくのがベストです。
犬の飼育に必要な費用の確保
実を言うと、犬のために必要な費用はそこまで高くありません。初期費用さえクリアしたら、あとは食事代やおもちゃ代を考えても月に1万〜2万円しない程度でしょう。しかし、それよりも重要なのは、病気や怪我などの急な出費です。
例えば、白内障の手術には30万円ほどかかると言われていますし、骨折の治療にも同じくらいのお金がかかります。月々の生活費はもちろんですが、急な出費に耐えられるように保険の加入や貯金などを検討しましょう。
しっかり準備してから犬を迎えよう!
犬はペットの中でも最もメジャーな部類に入りますが、かかるお金や時間は決して少なくありません。衝動的に飼うのではなく、しっかりとして準備をしてから迎え入れてあげましょう。