ペットの健康を維持するために必要なこと

人がペットを大切な家族として迎え入れるようになってから、数十年ほど経ちました。今や善良な飼い主はペットの健康を意識し、それに応じるかのようにペットの寿命も延びています。だからこそ、高齢期に入る前の健康維持や身体作りの重要性が、以前よりも明らかに高まってきています。

今回はペットの健康や体調に関する事についてお話していきます。

目次

ペットの健康と寿命

ペットの寿命が延びている事は冒頭でお話した通りですが、具体的にはどんな理由でどれほど延びているのでしょうか。ここでは、ペットの健康と寿命について見ていきます。

ペットの平均寿命が延びている

まず健康のお話をするなら耳にしておきたいニュースが一つあります。それはここ数年間でペットの平均寿命がかなり延びてきているという事です。例として挙げるなら、ペットとして人気な犬や猫は、ここ10年間余りで0.5〜0.7歳ほど延びています。これは人間で換算すると、およそ3〜5歳くらいとのこと。

理由としては専用ペットフードの質が上がったことによる栄養バランスの取れた食事や、医療技術の発展が考えられています。更に、飼い主自身もペットを『家族』として受け入れる事が当たり前になった事で、より健康に気を使うようになった事も大きな要因でしょう。

ペットが健康でいられるために

ペットの高寿命化が嬉しい一方で、高齢期に入った後の介護の負担も課題となってきています。若いうちから身体づくりをしていないと、人もペットも筋肉が衰えていきます。くわえて、関節が刺激に弱くなると動くことすら億劫になったり、満足に寝られなくて夜泣きの原因になることも。

また、少しシビアな話になりますが、医療技術が高水準になった事で質の良い治療をするには医療費もそれ相応の金額を求められます。ペット保険に加入していれば特定の病気に対する医療費を負担してくれるとはいえ、それでも数万〜数十万円かかる事もあります。

ペットの健康維持は高齢期に入る前、若く身体を動かしやすい時期から考える必要があるのです。もちろん、それだけであらゆる病気やケガの心配がなくなるわけではありませんが、『病気やケガに強い身体を作る』『何か異常があればすぐに気づいてあげられる』という事は間違いありません。

ペットの健康維持に必要なこと

健康維持はどんな生物であっても等しく大切な事です。ここでは食事や運動、健康診断など、ペットの健康維持を意識するなら心がけたいことについて見ていきます。

ペットのご飯

皆様は普段、ペットにどんなご飯を与えていますか?ペットフード以外にも、最近はおやつなどの嗜好品や、手作りごはんを与える人も増えています。しかし、嗜好品を過度に与えたり、栄養が偏っている手作りごはんを与えてしまっては危険です。

そもそも動物というのは、品種、サイズ、年齢などによって適切な栄養価が異なります。実際、私たちも生活習慣病など不摂生な食事が社会的な問題となっています。せっかく様々なペットに合わせた専用フードがあるわけですから、あくまで主食は専用フードを与えてあげましょう。

また、手作りご飯を与える際はSNSやブログを参考にするよりも獣医師や管理栄養士のアドバイスを聞く事をおすすめします。実際にペットと対面したプロの方からのアドバイスは、何よりも貴重な参考材料になります。

運動の重要性

犬の散歩や猫のキャットタワーを含めて、運動とは健全な肉体を作り、それを維持する事が本質にあります。ペットの年齢やその日の体調によりますが、運動が重要である事は変わりありません。健康的な生活を送るためには、健全な肉体が必要不可欠なのです。

動物というのはいずれ年を取って老いるものですし、足や腰などの筋肉が衰えていきます。また、若いうちから運動していないと肥満になったり、心臓病やヘルニアなどの危険な疾病にかかるリスクも高まります。

もちろん無理をさせないようにするのが一番ですが、なるべくその子にあった運動をさせてあげましょう。もし少し肥満気味だったり、高齢であるなどの理由で運動を嫌がっていた場合は、飼い主と一緒に遊べるものや、おやつなどのご褒美でペットの気を引かせるのが効果的です。

病気の予防と健康診断

犬には狂犬病ワクチンの接種が義務付けられているのはご存じの事だと思いますが、猫やハムスターなどの他のペットにも病気や感染症対策として予防接種が強く推奨されています。運動で免疫力を高める事ももちろん効果的ですが、ワクチン接種はそれと同じくらい重要です。病気になるリスクを減らす手段は、いくらあっても足りないものですからね。

また、予防接種だけでなく定期的な健康診断も忘れずに行きましょう。ペットの病気の中には、飼い主やペット本人すら気づきにくい病気もたくさんあります。健康診断は、そんな病気の早期発見に繋がる他、健康な時に測ったデータは病気になった時に大変役立ちます。

ペットの健康チェックの方法

健康診断はおよそ一年に1〜3回程度が目安とされていますが、飼い主による健康チェックはできれば毎日行った方がいいです。ここでは、健康チェックの方法について見ていきます。

身体を触って確かめる

お腹や足、背中など身体全体を触っていき、むくみやしこりがないか確かめていきます。また、痛そうにしていたり、なんとなく嫌そうな様子を見せた箇所がある場合は何らかの異常があるかもしれません。

例えば、お腹が張っていて食欲がない場合は腹水というお腹に水が溜まっている状態になっている可能性があります。腹水は色々な病気の初期症状としてよく挙げられている症状なので、疑いがあるなら1度動物病院で診てもらった方がいいでしょう。

便や尿を見て確かめる

排泄行為に違和感がないか、便や尿に異常がないかなどをチェックします。便は色や水分量(硬すぎる、水すぎるなど)、尿は色や量を重点的にチェックしてください。

例えば下痢の場合、長く続くようであれば寄生虫や細菌感染、病気の可能性があります。もし誤飲や誤食が原因であれば、2日ほど様子を見たら改善する事が多いです。

他にも血が混じっていないか、体重が目に見えて減っていないかも同様に確認しましょう。

行動に違和感がないか確かめる

動物というのは弱っている姿をなかなか見せないものです。しかし、それでも歩き方だったり座り方だったり、行動には違和感が出てきます。長い間連れ添ってきた飼い主だからこそ分かる違和感、もしかしたらそれは病気や怪我が原因かもしれません。

例えば、それこそ歩き方や座り方に問題があるなら、考えられるのは足や腰を痛めているかでしょう。だっこすると痛がったり、背中を丸めている姿をよく見る場合はヘルニアの可能性もあります。

どんな些細な事でも、「最近様子がおかしいような……?」と思ったら、必ず動物病院に相談するようにしましょう。

ペットの健康状態を常にチェック!

ペットは人とは違い、人間の言葉を話すわけではありません。不調を訴える事もできないし、まして自分の足で勝手に動物病院に向かう事もできません。だからこそ、飼い主がペットの体調を常にチェックする事が大切です。

また、今回は健康維持の方法についてもお話しました。栄養バランスの良い食事、適度な運動、良質な睡眠、これらはどんな生物であっても必要な事です。しっかりと健康的な生活を送らせて、毎日を豊かに過ごしてもらいましょう。

天国への扉コラム