忠誠心の高さと人懐っこい姿で人気な犬ですが、厳しい環境で生き抜いてきた犬種の中には警戒心が強い子も珍しくありません。接し方を間違えると、仲良くなるどころか嫌われてしまう事もあります。
今回はそんな事にならないように、犬に懐かれるための接し方やNGな行動について解説していきます。
目次
犬に懐かれていると分かるサイン4選
犬は感情表現が豊かな種族なので、「なんとなく懐かれているんだろうなぁ」と分かる人も多いです。今回はそんな懐いているのが分かるサインについて、4つほど解説します。
飼い主の後ろを付いてくる
社会性を持ち、基本的に群れで行動する犬にとって、飼い主とは群れのリーダー格のようなものです。飼い主の後ろを付いてくるのなら、それは犬が飼い主のことを『信頼出来るリーダー格』として認めている証拠でしょう。こうする事で、犬も力のある存在の近くにいれて安心するのです。
また、安心したい時以外にも単純に構ってほしい時や甘えたい時にも飼い主の後ろを付いてきます。反応を見ながらスキンシップをとり、嬉しそうにしているならそのまま構ってあげましょう。
飼い主の匂いを嗅いでいる
愛犬が飼い主の匂いを嗅いでくる事がありますが、これは相手に対して興味を抱いている時の行動です。犬にとって匂いとは様々な情報が含まれているものであり、嗅ぐことによって相手がどういった存在なのかを察知します。知らない犬に挨拶する時はお尻を嗅ぐのと理由は同じですね。
また、飼い主の手を嗅いでいる場合は『従属』の意思を表している事があります。こちらも決して悪感情ではないため、愛犬の気が済むまで嗅がせてあげましょう。
あごを乗せてくる
飼い主の身体にあごを乗せるのは『甘えたい』というサイン。この行動は信頼している相手にしか見せることはない、とてもリラックスしている状態です。また、同じような動作として手を乗せることもあります。
寝転んでお腹を見せる
仰向けに寝転んでお腹を見せるような体制を取ったのなら、飼い主の事を信頼している証です。お腹は内臓が詰まっている弱点であり、警戒している相手には見せようとしません。飼い主にお腹を見せるのは、見せても襲ってこないからと分かっているのです。
因みに、唯一警戒している敵に対してお腹を見せることがあります。それは『降伏』する時です。これは無防備な姿を晒すことで『自分は貴方には勝てません』とアピールしているのです。もし他の動物に対してお腹を見せるようなら、少し様子を見た方が良いでしょう。
犬に懐かれるための接し方
犬に懐かれるためには、懐かれるための接し方を学ぶのが大切です。どんな接し方をすればいいのか、ここで見ていきましょう。
犬のペースに合わせる
犬は確かにスキンシップを取る事が大好きな動物ですが、そんな彼らにも自分のペースという物があります。一日中ずっと遊ぶわけではなく、眠たい時や一匹でいたい時も当然あるでしょう。そんな犬のペースにしっかり合わせられるかどうかが、犬に懐かれる境目になります。
基本的に犬は遊びたくなったら自分から飼い主の方へ寄ってきます。愛犬が寄ってきたら構うようにして、反対に離れた位置にいる場合は様子を見るくらいにしておきましょう。
犬に好かれる声質
犬は人間の言葉の意味を少しだけ理解できますが、言語そのものが分かるわけではありません。大切なのは言語ではなく、声の出し方にあります。例えば男性が低い声で怒鳴ると、誰でも緊張しますよね。でも、少し高くゆっくり語りかけるだけで、安心感を抱きます。
犬にとってもそれは同じで、『気持ち高い声』で『ゆっくり』と『優しく』話すだけでも安心できます。よく女性の方がペットに懐かれやすいなどと言われますが、女性の声質が元々動物に好かれやすい傾向にあるからなんですね。
甘やかしすぎない
愛犬と仲良くなりたくてついつい甘やかしすぎてしまう人も多いですが、実はこれはあまり良くありません。厳しくする時はしっかり厳しくしないと、『群れのリーダー』ではなく『都合の良い存在』として見られる可能性があります。懐かれるというよりも、舐められてしまうのです。
特にしつけが出来ていない犬の場合、飼い主の前でも問題行動を起こしたり、人に迷惑をかけてしまう事も考えられます。叱る時は叱り、スキンシップを取る時はちゃんと構うなど、メリハリのある飼育を意識すると、犬から見ても頼れる存在になれるでしょう。
散歩には毎日行く
犬の飼育には、毎日の散歩が必要不可欠。もちろん、犬も外で身体を動かす事が大好きですので、そんな散歩に連れて行ってくれる人には懐いてくれやすいです。また、散歩に限らずドッグランなどのアジリティも効果的でしょう。
ただし、外に出る際は水分補給するための水やタオルなどの用意を忘れずに。ドッグランなどの怪我をしそうなものに参加する時は十分に注意してください。
犬に嫌われてしまうNG行動
仲良くなろうとしても、嫌われるような行動をしてしまったら意味がありません。ここではそんなNG行動を解説していくので、ここで解説した行動は取らないようにしましょう。
嫌われてしまう叱り方をする
これはペットに共通して言える事ですが、ペットが何か悪い事をしてしまったのなら『その場』で『しっかりと叱る』のが鉄則です。その場で叱ると、犬も「今の自分の行動はやってはいけない」と認識してくれます。
逆に時間が経ってから叱っても、犬はなんで自分が怒られているのか理解できないため「理不尽に怒られた」と思ってその人を怖がるようになります。また、頭ごなしに怒鳴るのもNGです。
過度なスキンシップを取る
犬はスキンシップを取るのが大好き。しかし、だからといって過度なスキンシップは逆効果です。【犬に懐かれるための接し方】でも触れましたが、犬にも自分のペースがあります。リラックスしたい時や一匹になりたい時にスキンシップを取ろうとしても、かえって嫌われてしまうでしょう。
また、スキンシップの取り方にも注意が必要です。犬はお腹や背中、顔回りは喜んでくれますが、足先やしっぽの先端を触られるのは嫌がります。健康チェックなどのやむを得ない状況以外では、あまり執拗に触らないようにしましょう。
大声を出す
犬は嗅覚だけでなく聴覚も優れているため、急な大声には敏感に反応します。声の質によっては、自分が怒られているのかと勘違いする事もあるでしょう。特に怒鳴り声などは、一発で避けられてしまう可能性があります。
一回や二回程度なら問題ありませんが、あまりに続くようであれば犬もストレスが溜まってしまいます。犬が近くにいるなら、なるべく大きな声は出さないようにしましょう。
懐きやすい犬種について
まだ犬を飼う前なら、いっその事人に懐きやすい犬種を飼うのもいいでしょう。人に慣れるかどうかは個体によって異なりますが、種族として頭の良い子や懐きやすい子を選べば飼育難易度も低くなります。実際に懐きやすい犬種を3種ほどまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
・ゴールデンレトリバー
元々猟犬だった歴史を持ち、賢く忠誠心も高い犬種です。
・トイプードル
知能が高く、小型犬である事も相まって飼いやすい犬種として有名です。
・ボーダーコリー
全犬種の中でもトップクラスに知能が高く、優秀な牧羊犬種としても知られています。ただし、長時間の運動が要求される点にだけ注意。
愛犬と仲良くなるためには
犬は人間の事が大好き!というイメージが強いですが、実際には仲良くなるための段階というものがあります。特に犬に嫌われてしまうNG行動をしてしまうと、関係修復のための時間もかかるでしょう。
犬と仲良くなるためには、とにかく『犬の目線』に立つ事が大事。犬のペースに合わせて、犬が今してほしい事を想像しながら仲良くなっていきましょう!