ペットと一緒に引越しする時に必要な手続きって何があるの?

春となり、皆様の中にも新しい生活のためにお引越しを考えている人もいるのではないでしょうか?しかし、ペットを伴った引越しは、自分一人だけで引越しする時よりも考えなければいけないことがたくさんあります。また、犬の住所変更のように引越しした後の手続きが必要な事もあるでしょう。

そこで今回は、ペットを伴った引越しの際にやるべき事をまとめました。

目次

ペットを伴った引越しの前にやるべき事

ペットは大切な家族ですが、人間ではありません。賃貸選びや移動手段など、ペットに合わせた選択をする必要があります。では、まず引越しの前にやっておきたい事について見ていきましょう。

賃貸の場合は『ペット可』を選ぶ

もし引越し先がアパートやマンションなどの賃貸であった場合、ペットと一緒に住むなら『ペット可』の賃貸を選ばなければなりません。もしペット不可の賃貸であるにも関わらず、管理人に無断で飼育している場合、規約違反として強制退去させられる可能性があります。仮に退去しなかったとしても、ペットと一緒に住むことは出来なくなるでしょう。

また、ペット可とあっても全てのペットが飼育可能とは限りません。ハムスターなどの小動物限定だったり、お魚限定など条件を付けている場所もあります。こういった条件指定は、不動産サイトや管理人から事前に通知されるかと思いますが、念のために確認しておきましょう。

ペット可の賃貸は今でも決して多いとは言えませんが、隠れて飼育したとしても満足のいく生活が送れるとは思えません。ペットのためにも、ペット可の賃貸を探してあげましょう。

ペットをどうやって移動させるか

例えば、自分だけの一人暮らしを始めるなら、移動手段は自分だけで完結しますよね。車で移動してもいいですし、近場なら電車を使って移動する人もいるでしょう。しかし、ペットを連れて引越しする場合、車以外にも引越し業者や輸送業者に依頼する事もできます。

車での移動も含めたこれらは、距離や対応などメリットデメリットが分かれているため、自分やペットに合った選び方をしましょう。下記に簡単に特徴をまとめておきます。

・自分で車に乗せて移動

他の業者に依頼しないため、手間も時間もかかりません。見知った車内で飼い主と一緒なら、ペットの精神的な負担も軽減できます。ただし、大型車以外での長期間の移動は車酔いを招くため、近場に引っ越す場合におすすめです。

・引越し業者に依頼する

引越し業者の中には、追加料金を支払う事でペットも一緒に引越し先まで送り届けてくれるサービスをしている業者があります。大型トラックでの移動のため揺れにくく、車酔いなどの不調を起こしにくいです。ただし、ペットの種類など指定条件がある事が多いです。

・輸送業者に依頼する

引越し業者とは別に、ペット専門の輸送業者に依頼する方法です。専門にしているだけあって対応可能なペットも多く、丁寧に運んでくれるため安心できます。ただし、別途依頼する手間や料金がやや高めに設定されている点は考慮する必要があります。

引越し先の動植物を確認しよう

県を跨いだ引越しなど、今まで暮らしていた地域から離れた場所への引越しを考えているのでしたら、その地域ではどんな植物が自生しているのか調べておいた方が安心です。自生している中には毒性のある植物もあり、ペットが誤って口に含んでしまったら大変です。

また、合わせてその地域で発生する花粉の種類も確認しておきましょう。人がそうであるように、ペットにもアレルギーのある花粉とない花粉があります。今まで花粉症にならなかったペットでも、引越しした先で花粉にやられる可能性は十分に考えられます。

都心から少し外れた場所に引っ越すのなら野生の動物の出現情報もチェックしておいた方がいいでしょう。クマはもちろんですが、タヌキやキツネなど小動物を餌とする生き物が生息しているかもしれません。

お薬は多めに処方してもらおう

飼っている子が病気や怪我でお薬を処方してもらっている場合、少し多めに処方してもらえないか相談してみましょう。引越しした直後にすぐ動物病院に行けるとは限らないですし、そもそも近場に対応している動物病院がない可能性もあります。

また、可能であれば引越しした後でもスムーズに治療できるように、今お世話になっている病院に紹介状を作成してもらいましょう。

ペットを伴った引越しが終わったらすぐにやるべき事

無事に引越しが完了したとしても、やるべき事は残っています。ここからは、引越し後について見ていきましょう。

近くの動物病院を見つける

引越しした後、紹介状を貰っている場合を除いて、近場で自分のペットを診てくれる動物病院を探しましょう。口コミサイトやグーグルマップのレビューも参考になりますが、公式サイトを持っている場合は『どんな分野に力を入れているのか』を調べるのも大切です。

犬や猫以外の動物を診てくれる動物病院は、まだまだ多いとは言えません。現地で問題が起きた時に慌てる事のないように、自分がお世話になりそうな動物病院には目星をつけておく事をおすすめします。

外に出る子は散歩コースを見つける

犬など外を散歩する子を飼っている場合、散歩コースは早めに見つけましょう。新しい環境に緊張してしまっている上に、散歩コースも歩き慣れていない道となると精神的なストレスは大きいはず。とはいえ、だからといって散歩しないと運動不足になり体調不良になってしまいます。

早いうちに散歩コースに慣れてもらえるよう、毎日少しずつで良いので散歩させましょう。もちろん、帰ったらたっぷりスキンシップを取ってあげてくださいね。

犬と一部の動物は登録住所を変更する

犬は『狂犬病予防法』によって、住所登録が義務付けられています。そのため、新しい住所にお引越しした後は、今までの住所から新しい住所へと変更届を提出しなければなりません。受付期間も30日と一見長いように見えますが、引越し直後は何かとバタバタしてしまいますので、余裕をもって早めに変更しましょう。

登録住所の変更手順は

・旧住所の役所や保健所で届け出を行う

・新住所の役所や保健所で住所変更の手続きを行う

・新しい鑑札を貰う

という流れで行います。この時、登録事項変更届と旧住所で受け取った鑑札が必要になる他、既に狂犬病ワクチンを接種している場合は注射済票も忘れないように持参してください。

また、タカやニシキヘビといった『特定動物』に指定されている動物も引越しの際に登録住所を変更する必要があります。

もしペットを引越し先に連れていけない時は

もしペットを引越し先まで連れていけないなら、当たり前ですが『捨てる』以外の方法でペットを手放す事になります。一般的な方法としては、やはり『信頼できる人に預ける』『里親を見つける』というものでしょう。

ただし、後者の里親を見つけるという場合は二度とペットと会えない覚悟をしてください。相手方の時間を取ってしまいますし、いつでも会えるなんて保証はどこにもありません。

そもそも如何なる事情であっても『手放す』という選択自体が好ましくありません。仕事先から少し離れた場所でもペット可の賃貸を見つける、費用は全部自分で持つという条件で信頼できる人に預けるなど、できうる限りの手を尽くして、それでも難しい場合のみ検討するようにしましょう。

引越し直後のペットはストレスを溜め込みがち

ペットにとって新しい環境というのは大きなストレスになります。人間のように心の準備もできませんし、気が付いたら慣れ親しんだ景色とまったく違う景色の中にいると考えると、無理もありません。

引越ししてからしばらくの間はペットのメンタルケアに集中し、何か異常があったらすぐに動物病院へ相談するようにしましょう。

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