犬や猫などのペットを飼っていると、怪我や病気などで動物病院に行く事があるかと思います。しかし、動物病院はペットにとって普段とは違う匂いや音に溢れた異質な空間。飼い主側がしっかりサポートしてあげないと、ペットがパニックになってしまう可能性も考えられます。
そこで今回は、ペットを動物病院に連れて行く際の準備やマナーについて解説していきます。
目次
ペットにとって動物病院はどんな場所?
病院に行くと言われて嫌な気持ちになる人は多いかと思いますが、それはペットも同じみたいです。なぜ、あそこまで動物病院を嫌がるのでしょう?
ここでは、ペットにとって動物病院はどんな場所なのかについて見ていきます。
普段と違う環境
動物病院には薬品や消毒液の匂いなど、日常生活では滅多に嗅がない異質な匂いに溢れています。大きい病院だと、他の人のペットやスタッフもたくさんいるでしょう。ペットから見れば、そんな動物病院は正に【異質な空間】とも言える場所なのです。
そんな場所に連れて来られたら、誰だって緊張しちゃいますよね。動物にとって緊張とストレスは切っても切れない関係であり、そこにわざわざ行きたいとは思いません。大げさに聞こえるかもしれませんが、ペットが嫌がる空間なのは間違いないでしょう。
トラウマがある場所
私たち人間も、病院に行くのは嫌ですよね。理由としては【匂いがダメ】【注射が怖い】など色々あるかと思いますが、それぞれに共通して言えるのは【嫌がるだけのトラウマがある】という事です。そして、それはペットにとっても同じことが言えます。
過去に注射を打たれた、爪切りで深爪になったなどの痛い経験があると、それがトラウマになって動物病院へ行く事が嫌になって拒否するようになります。特に動物は生存本能からトラウマになった出来事が強く脳内に刻まれているため、人間よりも拒否する思いが強いでしょう。
ひとりぼっちになる空間
動物病院では、大きな手術などで入院する事もあります。この記事をご覧いただいている飼い主様のペットの中にも、入院経験のある子がいるでしょう。入院した事のある子は、その時に感じた【ひとりぼっちの孤独感】や飼い主に置いていかれたという【不安感】から、再び動物病院へ行く事を拒む事があります。
特に寂しがり屋な子や甘えん坊な子はこの傾向が強く、入院でなくても長時間の手術でも不安に思ってしまいます。ペットホテルなどでも似たような事があったら、同様に嫌がるかもしれませんね。
動物病院に行く前に
動物病院に初めて行く人は、どんな準備をすればいいのか戸惑ってしまいますよね。ここでは、動物病院に行く前に必要な準備について見ていきましょう。
事前の連絡は必須
動物病院には獣医師が一人で見ているような個人病院や、予約がギッシリ詰まっている大きな動物病院も多いです。人間用のクリニックや病院よりも数が少ない事もあって、いきなり連れて行っても受付できないかもしれません。仮に待合室で待機だとしても、長時間の待機はペットに余計なストレスを与える可能性があります。
動物病院に用事がある場合、基本的には早めに連絡を取っておいた方が良いでしょう。その際は【自分の名前】や【診察希望日時】を伝える他、動物病院が初めての場合はその旨を伝えておくとその後の展開がスムーズになります。
持っていくべき物
動物病院に持っていくべき物は【ペットを入れるためのケースやリード】と【各種証明書】の2つです。
まず前者についてですが、動物病院では基本的にペットはケースやリードなどで脱走しないようにコントロールする必要があります。普段は大人しい子でも、病院での緊張や不安からパニックになる事があるため、可哀想ですがペットの自由はある程度制限しておいた方が良いでしょう。また、飼い主や家の匂いがついたタオルなども一緒に持っていくとペットも安心できます。
後者は動物保険証やワクチンの証明書、過去に病院経験がある場合は各種検査のデータなどですね。また、クスリを服用している場合はそちらも持参するようにしましょう。
動物病院でのマナー
院内には自分のペット以外にも、他の人のペットや医療スタッフがいます。各々がきちんとマナーをしっかり守り、何事も無く用事が終わるのが理想ですね。
トイレは事前に
救急など緊急時以外の用事で動物病院に行くなら、途中で排泄してしまう事を防ぐためにペットのトイレは事前に済ませておくのが無難です。ただし、事前に済ませた場合でも緊張や恐怖から移動中の車内で漏らしてしまうケースもあります。もしそうなった時でも慌てないように、ビニール袋などを携帯しておきましょう。
もし院内で排泄したり、パニックで吐いてしまった場合は感染防止のために消毒を行う必要があるため、速やかに近くの医療スタッフに報告するようにしましょう。
ペットから目を離さない
動物病院では、必ずペットから目を離さないようにしてください。院内でのペットは慣れない環境で少なからず緊張している状態であり、ハッキリ言っていつパニックになってもおかしくありません。脱走する可能性はもちろん、最悪の場合は他の人やペットに危害を加える事も考えられます。
リードに繋いで外に出している時はもちろん、ケース内に入れている時でも油断しないようにしましょう。
他のペットとの接触は避ける
院内では、感染防止のために他の人のペットとの接触は極力避けるようにしましょう。また、緊張しているペットの近くを通る時は、大きな音をたてたりペットが吠えないよう注意してください。特に自分のペットも緊張している場合、喧嘩してしまう恐れもあります。
自分のペットだけでなく、自分自身もなるべく他の人のペットに触れないようにしましょう。
帰宅した後について
動物病院から無事に帰宅した後は、少なくともその日はなるべくペットの近くに居てあげましょう。慣れない環境に緊張しっぱなしだったペットは、きっといつもよりストレスを感じているはずです。獣医師から注意されていないなら、ご褒美でおやつを与えるのも良いかもしれませんね。
また、もし多頭飼いをしているなら家に入る前に濡れタオルなどでペットの身体を拭いて動物病院の匂いを落としておきましょう。縄張り意識の強い動物は、普段の匂いと違うと【よそ者が来た】と勘違いして警戒してしまいます。
ペットにとって病院は怖いもの
獣医師や医療スタッフが心地よい空間にしようと頑張ってくれているとはいえ、やはり動物病院はペットにとって決して良い空間ではありません。特に注射などの痛い経験をしてしまうと、その事がトラウマになる可能性があります。
飼い主様がすべき事は、とにかく院内でのトラブルを避ける事と帰宅後の心のケアをしっかりしてあげる事です。病院が辛いのは人間もペットも一緒。ちゃんとペットに寄り添ってあげてくださいね。