ペットホテルの選び方や利用する前にやっておきたい事について

急な出張や長時間の買い物でペットを一匹にしてしまう、そんな状況で頼りになるのが『ペットホテル』。時間に制限のあるペットシッターと違って、料金は少し高くなりますが、一日中面倒を見てくれる点は頼もしい限りです。

今回はそんなペットホテルについて、選ぶ際のポイントや利用する前にしておきたい事を交えてお話していきます。

目次

ペットホテルとはどんな施設か

ペットホテル……名前だけは知っていても、利用した事のない人は中々イメージがわいてこない場所でもあります。まずはどんな場所なのかや料金体系はどうなっているのか、ペットシッターとの違いなどについて見ていきましょう。

ペットホテルの説明

ペットホテルはその名の通り『ペットを数時間又は数日預けておける施設』のこと。主に旅行や出張などでペットを連れていけない場合や、遠い場所に買い物をしにいくような時に利用するという人が多いです。

ペットホテルには主に『ペットホテル専門の運営』『他の施設に併設したホテル』『個人宅で運営』の3種類があり、それぞれ目的に合った場所を利用する事になります。また、基本的には犬や猫のみのホテルが多いですが、小動物に対応しているホテルもあるため、ウサギやハムスターなどを飼っている人でも利用できます。

ペットホテルの料金体系

ペットホテルの料金は基本的に『宿泊』と『一時預かり』の2つ。一時預かりは営業時間であれば預かってくれるというプランで、必然的に宿泊よりも安くなっています。

具体的な料金はホテルによって変わってきますが、基本的に宿泊は4000円〜8000円程度、一時預かりは1000円〜3000円からが目安。一時預かりは時間によって料金が高くなっていきます。また、犬はサイズによって食事やお世話の内容が変わってくるため、『小型犬』『中型犬』『大型犬』の3つに分けているホテルが多いです。

また、ペットホテルには『ケージタイプ』と『個室フリータイプ』があり、両方を利用できる場合は個室フリータイプの方が料金が高くなります。ペットサロンなどは『何かを利用したお客様に対するサービスの一環』としてホテルを運営している事が多く、その場合は当然その分の料金も視野に入れておく必要があります。

ペットシッターとの違い

ペットのお世話をしてもらうという意味では、ペットシッターも選択肢に入るかと思います。今回の記事ではペットシッターについて深く掘り下げる事はしないですが、簡単にお互いのメリットとデメリットについてお話していきます。

まずペットホテルのメリットは『緊急時の対応』『深夜対応』『安全面の配慮』、デメリットは『環境が異なる』『集団感染の可能性』です。主にある程度自立した子や長期間預けたい場合などに利用します。

対してペットシッターのメリットは『慣れた環境』『サービスが手厚い』『移動負担が無い』、デメリットは『時間制限がある』『家に人を招く抵抗感』です。主に寂しがり屋な子や短期間だけ預けたい場合に利用します。

ペットホテルを選ぶ時のポイント

ペットホテルには『ケージタイプ』や『個室フリータイプ』といった形式の違いや、私物持ち込みに関してといった細かな違いがあります。どういった場所がペットに合っているのか、万が一の時にはどのような対応をしてくれるのかについて調べておきましょう。

ペットホテルの種類

ペットホテルは主に『専用に運営しているホテル』『施設に併設されたホテル』『個人宅で運営』の3種類に分けられます。それぞれ特徴を見ていきましょう。

・専用に運営しているホテル

ペットホテルのためだけに運営しているため、単純なサービスやお世話の質などに優れています。

・動物病院に併設されたホテル

獣医師がすぐ側にいるため、緊急時の対応が一番早く安心感があります。持病持ちや体調悪化が懸念される子におすすめです。

・ペットサロンに併設されたホテル

トリミングサロンを利用する飼い主限定で、泊りにも対応している事が多いです。もともとサロンはリラックスさせるための空間作りがされているため、警戒心が強い子におすすめ。

・個人宅で運営

ドッグトレーナーや動物介護士などの資格持ちの人が、自宅でペットを預かってくれるサービス。受け入れ数が少ない代わりに、ペットにかけてくれる時間が多いです。

緊急時の対応

ペットホテルがどのような施設であれ、慣れない環境である事には代わりありません。そのため、普段は丈夫な子であっても体調を崩してしまう事があります。特に神経質な子やあまり人に慣れていない子を飼っている場合は、何かあった時にすぐ対応してくれるペットホテルを選んだほうが良いでしょう。

特に専門のペットホテルはともかく、動物病院やペットサロンと併設されているペットホテルの中には深夜帯にスタッフがいないというホテルも少なからずあります。

『24時間スタッフがいる』かつ『動物病院に併設している』又は『近くに動物病院がある』ペットホテルを選びつつ、万が一の対応の仕方について質問してみましょう。また、持病がある子を預ける際に、簡単な病名や何かあった際の対処について話しておくと、スタッフもスムーズに対応できます。

私物は持ち運べるか

神経質な子や寂しがり屋な子の場合、飼い主がいないペットホテルでは体調を崩してしまう可能性があります。そんな時に頼りになるのが『飼い主の匂いがついた私物』です。他にも、いつも同じフードを与えている場合は出来る限りペットホテルでも食べた方が良いでしょう。

私物やフードを持ち込んでいいかはペットホテルによって変わりますので、予め持ち運び可な物を聞いておく事をおすすめします。

ペットホテルを利用する前に

ペットホテルは便利なサービスですが、利用する前にいくつかやっておきたい事があります。特にワクチン接種は必須ですし、健康診断や施設に慣れるための訓練などはトラブル防止のためにしておいた方がいいでしょう。

ワクチン接種を受ける

ペットホテルは集団感染を防ぐためにワクチン接種が必須な場所が多く、利用の際に『ワクチン接種証明書』の提示を要求されます。ペットホテルを利用したい場合は忘れずに持っていきましょう。

逆に言えば、ワクチン接種証明書の提示を要求しない場所は『感染予防意識の低いホテル』の可能性があるため、なるべく避けた方が無難です。

健康診断を受ける

必ずしも必須というわけではありませんが、事前の体調チェックや病気への対応として、預ける前に動物病院で健康診断を受ける事をおすすめします。

もし何らかの持病があるのであれば、ペットホテル側に報告できますし、対処法も分かりますよ。

ケージやサークルに慣れている

ペットホテルでは、ケージやサークルといった限られた空間で一日を過ごす事になります。それは個室フリータイプであっても同じ事で、部屋の中でしか行動できません。つまり、『開放的な場所以外に慣れていない』という子にとっては、あまりよくない環境になってしまうということです。

最悪の場合、ホテル内で体調を崩したりパニックになる事もあるため、ペットホテルを利用する際は必ずケージやサークルで暮らす事に慣れてもらってからにしましょう。

ペットホテルから帰った後はたっぷり構ってあげよう

ペットホテルは確かに便利なサービスですが、それでも『飼い主がいない環境に長時間いる』という状況はどうしても解決できません。特に犬のように飼い主=群れのリーダーと捉えているようなペットは、飼い主がいないというだけでストレスの原因になります。

飼い主の用事が終わって、ペットホテルから帰ったら思う存分ペットを可愛がってあげましょう。

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