飼い主にとって、愛犬がずっと元気でいてくれるほど喜ばしい事はありません。近年は医療技術の発展や食事の質が向上した事で平均寿命が伸びている事が判明していますが、その一方で運動不足や肥満の犬が増加しているという問題点も出ています。
今回は犬が健康的な生活を送る上で重要な点を、【食事】【運動】【病気】の3つの視点から解説していきます。
目次
犬の平均寿命と課題点
現在の犬の平均寿命は一般社団法人ペットフード協会による調査結果によると14.76歳で2010年と比較して0.89歳ほど伸びています。これは医療技術やドッグフードの普及、室内飼いが主流になった事などが要因となっており、例年の傾向からまだまだ平均寿命が伸びていく事が予想されます。犬好きとしても喜ばしいニュースですね。
一方で平均寿命が伸びたことで生まれた課題点も少なからずあります。シニア犬の介護や飼育費用の高騰などの飼い主側に影響がある点もあり、新規で飼育し始める上での懸念事項になっているようです。愛犬が長く健康的に生活できるように、正しい飼育方法を学ばなければいけませんね。
犬の食事面での対応
健康的な生活を支える基盤はなんといっても栄養バランスの良い食事です。まずは犬の食生活について見ていきましょう。
食べてはいけない物を覚えよう
ネギやチョコレートなど、人間が普段口にするような食べ物でも犬にとっては猛毒となる食材は多いです。また、毒にならずとも消化不良や成長不良の要因になる食材もあるため、犬を飼育するならNG食材をある程度覚えておく必要があります。
ただ、全ての食材を覚えるのはかなり難しいはず。インターネットで検索するとペットフード会社や保険会社がNG食材を記載していますので、犬に与える前に一度目を通しておきましょう。また、食材そのものを覚えるのではなく、ネギ類(にんにくや玉ねぎ等)やカカオ(チョコレートやココア)など、分類や栄養価で覚えておくと便利です。
栄養バランスを考える
栄養バランスを考慮する事は健全な食生活を送る上で必要不可欠です。特にカロリーや塩分の過剰摂取は肥満や病気のリスクを高める要因になってしまい、健康寿命が縮む可能性があります。また、一度肥満になると元の体型に戻すたに苦労させなければいけないため、ストレスのトリガーとなりかねません。
食生活において気をつけたいのがおやつの存在。しつけやトレーニングのご褒美としてこの上ないおやつですが、一方で嗜好性を高めるためにカロリーや塩分が少し多めに含まれています。おやつの袋に記載されている摂取量を守る、おやつの分だけご飯を減らすなどのケアは忘れないようにしましょう。
総合栄養食について
ドッグフードには【総合栄養食】と記載されている物がありますが、その意味について知っていますでしょうか?総合栄養食は簡単に言えば、それ単体と水だけで十分な栄養が摂取できるフードの事を指します。そのため主食としての適性が高く、多くの獣医師やペットブリーダーが推奨しています。
ただ、ここで注意したいのが【どんな物が総合栄養食なのか】という点。最近は梱包の仕方やデザインのバリエーションが増えてきているため、見た目から総合栄養食か否かを判別するのが難しくなっています。「これはパウチだから総合栄養食」「これはジャーキーだから間食」など種類で見るのではなく、パッケージの説明文を読んで判断すると間違えなくなりますよ。
犬の運動面での対応
犬の室内飼いで交通事故が減っている反面、外に出る時間が少ない事で運動不足が問題となっています。ここでは、運動量の確保に関する内容について見ていきましょう。
犬の散歩は毎日行こう
犬にとって散歩は運動以外でも、社会性を学んだり飼い主とコミュニケーションが取れるなどメリットが盛りだくさん。余程の悪天候でなければ、なるべく毎日散歩させてあげるのが理想です。特に大型犬になればなるほど1日に必要な運動量が増すため、散歩の重要性も高くなります。
ただし、散歩時は常に愛犬に気を配る必要があります。好奇心旺盛な子は、時折飼い主ですら予想できないような行動を起こしてしまいますからね。毒性植物を口にしないか、歩き辛い場所を通っていないかなどに注意しながら楽しい散歩を心がけたいです。
室内で出来る遊びを用意しよう
毎日散歩した方が良いとは言ったものの、実際は悪天候や時間の都合で外に出られない日もあるかと思います。しかし、やはり運動自体は毎日欠かさず行った方が肉体的にも、精神的にも健康的ですよね。そんな時は室内や庭でも遊べるようなグッズを用意しておくと、最低限の運動量は確保できます。
代表的な例を挙げると、ボール遊びやロープ遊びなど狩猟本能を刺激するタイプや、宝探しゲームなど知能を刺激するタイプが有名です。特に宝探しゲームは外では中々出来ないため、犬にとっても新しい体験が出来るのがメリットですね。ただし、周りの家具などにぶつかって怪我をさせないようにしましょう。
ドッグラン等のアジリティ
近くにドックラン等のアジリティ施設があるなら、ぜひ一度行ってみてください。リード無しで遊べるため制限なく運動に集中できる他、他の犬との交流も取れるため社会性を学ぶのにもうってつけです。特に近年は犬の運動不足が話題となっているため、良い機会と言えるでしょう。
ただ、【リード無しで色々な犬がいる】という点からも分かるように、飼い主側で色々と気をつけるべき注意点もあります。犬同士のトラブルやマナー違反等がないように、正しいルールに則った利用を心がけましょう。
犬の病気面での対応
病気はかからない方が良いですが、生きていく上で病気にかからないという事はまず無いでしょう。ここでは、病気に気づくための行動や精神面について見ていきます。
普段の様子を観察しよう
犬の病気に気づくためには、普段の愛犬の様子をよく観察しておく事が重要です。普段の生活を見ていれば、病気の予兆(具合が悪そう、歩き方がおかしいなど)にも気づきやすいですよね。
また、愛犬の行動だけでなく尿や糞の状態も確認しておきましょう。例えば、尿にキラキラとした結晶のような物があれば尿路結石の可能性があります。尿路結石は尿毒症という危険度の高い病気を引き起こす事があるため、早急な対処が必要になってきます。そうした危険な病気の早期発見が、健康寿命に大きく影響するのです。
メンタル面のケアも忘れずに
犬も私達と同様に、喜びや怒りなどの感情が存在します。飼い主とコミュニケーションが取れれば喜びますし、逆に飼い主が長い間不在だとそれだけ寂しいと感じてしまうでしょう。良い感情であれば大丈夫ですが、悪い感情が溜まればメンタルの病気を発症しやすくなります。
特に犬はもともと集団で暮らす動物で、飼い主が不在で1匹だけの状態はかなりのストレスを抱え込みます。なるべく長期に渡って留守番させる事は避け、どうしてもと言う場合はペットホテルに預けるなどの対応をしましょう。帰ってきたら、愛犬の気が済むまで構ってあげる事も大切です。
愛犬が健康でいられる秘訣
愛犬と長く一緒にいたいというのは、飼い主なら誰もが抱く願いでしょう。その願いを叶えるためには、栄養バランスの取れた【食事】と毎日欠かさず行う【運動】、そして【病気】になった時にどうすべきかを考える事が重要となってきます。
今回解説した事以外にも、獣医師やペットブリーダーからのアドバイスを聞くなど自分で出来る事を増やして、愛犬に元気でいてくれるようにしていきましょう。