犬の多頭飼いはどんなメリットがあるのか?ポイントと一緒に解説

愛犬のしつけや飼育に慣れてきた頃になると、もう一匹犬を飼いたい……つまり多頭飼いをしてみたいと思う飼い主様はたくさんいます。家が賑やかになりますし、留守番の時も寂しさを軽減できるなど、多頭飼い特有のメリットも多いです。

今回は犬を多頭飼いするメリットと注意点、多頭飼いを成功させるためのポイントについて解説していきます。

目次

犬を多頭飼いするメリット

犬は色々な動物と仲良くなれる動物ですが、それでもやはりベストフレンドとなれば同じ犬でしょう。ここでは、犬の多頭飼いがもたらすメリットについて解説します。

留守番時の寂しさを軽減させる

犬の多頭飼いを決めた理由として、『留守番の時に可哀そうだから』が決めてとなった飼い主様は多いのではないでしょうか。犬は群れを構築する動物のため、一匹だけの生活は心に不安をもたらします。

ただし、多頭飼いしたとしても寂しさを完全に無くす事はできないため注意。もちろん、一匹だけの状況よりはマシですが、飼い主様=群れのリーダーがいないがための不安感は残ってしまいます。多頭飼いしたからといって、留守番を増やすような事はやめましょう。

運動不足を解消させる

犬同士の気が合えばの話ですが、仲良くなったらじゃれついて遊ぶようになるため、結果的に運動不足が解消されます。気軽に散歩が出来なくなった老犬が、新しく入ってきた若い犬から刺激を受けて一緒に遊ぶようになったというケースも。また、運動不足でなくても仲良い友達と遊ぶ事でストレスを発散する効果が期待できます。

チワワなどの小型犬なら、室内でも思い切り遊べるようなスペースを確保しやすいですし、犬のための遊び場を作ってあげるのもいいですね。

犬同士の社会性を身に着けられる

犬はもともと『犬社会』を構築する動物ですが、人間を初めとした様々な生き物とも群れを作る柔軟性も兼ね備えています。日本ではあまり聞きませんが、海外では馬小屋や羊小屋で暮らしている子もいるそうです。昔から人間のパートナーとして選ばれていたのも納得ですね。

しかし、やはり犬社会だからこそ学べる事も多いです。柔軟性が高いとはいえ、自分と同じ動物同士で群れを構築したいと思うのは、いち動物として当たり前の欲求でしょう。

飼い主の楽しみが増える

犬の多頭飼いは、飼い主様にとってもメリットがあります。ドッグランや散歩などでは2匹以上の方が遊び方にもバリエーションを持たせられますし、犬用の買い物でも頭数の分だけ購入するグッズの選択肢も増えていきます。

もちろん、お金もその分かかってしまいますが、それに見合った充実したペットライフを満喫できるでしょう。

犬を多頭飼いする時の注意点

犬の多頭飼いはメリットも多いですが、注意点も少なくありません。充実したペットライフを送るためにも、トラブルになりやすい点について見ていきましょう。

犬同士の相性が全て

人間が誰とでも仲良くなれる訳ではないように、犬同士でも『相性』というものが存在します。もし相性が良い犬と巡り合えたのならメリットも多いですが、仮に相性の悪い犬だとしたら、喧嘩や奪い合いなどの問題に直面してしまう可能性も出てきます。最悪の場合、隔離しての飼育を検討しなければなりません。

一度飼育すると決めた以上、「相性が悪いから」と第二の家族を手放す選択肢はありません。しつけ次第で仲良くなってくれる事もあるため、諦めずにどちらも幸せに暮らせる方法を模索してあげましょう。

お金と時間がかかる

犬の多頭飼いの最大の注意点は、とにもかくにも『お金』と『時間』がかかります。

お金の面では、単純に『食費』『保険料』『おもちゃ』『布団』なんかはほぼ2倍になると言っていいでしょう。また、意外と意識から外れがちなのがペットサロンやペットホテルなどの『一匹ずつ料金が発生するサービス』の利用です。これらのサービスはペットのサイズや種類でも料金が変化するため、想像以上に高くなってしまうケースが多いです。

また、時間の面でも『しつけ』や『スキンシップ』にかかる時間は今までよりも多くなります。相性が悪かった場合は隔離させての飼育をする事もありますが、その場合は更に時間が必要になるでしょう。

一匹が問題を起こすともう一匹もそれを真似る

多頭飼いの犬は良くも悪くも、もう片方の犬を真似する事があります。これはしつけが楽になるなどのメリットもあれば、遠吠えや粗相などの悪い行動も真似してしまうデメリットもあるという事です。

特に悪い行動は先住犬か否かに関係なく、もう片方の行動に刺激されて真似するため、しつけよりも対策が難しく感じるでしょう。あくまで悪意があるわけではないため、根気よく向き合う事が肝心です。

騒音トラブルを起こしかねない

多頭飼いは家が賑やかになる反面、騒音トラブルを起こしやすくなってしまいます。ペット可の賃貸でも多頭飼いを禁止している場所が多く、そうでなくても周囲への配慮を徹底しなければいけません。

特に忘れがちなのが『足音』です。鳴き声などは防音対策を施していればトラブルに発展するリスクを抑えられますが、足音は周囲に響きやすいため、近隣住民の迷惑になる可能性があります。足音には犬だけでなく飼い主様の足音も含まれるため、低反発ラグなどの対策を視野に入れましょう。

犬の多頭飼いを成功させるポイント

犬の多頭飼いはメリットもたくさんありますが、注意点も相応にあります。しかし、いくつかのポイントを意識するだけで飼育難易度を各段に下げられます。ここでは、そんなポイントについて解説します。

二匹目以降のしつけは少しだけ楽

犬の多頭飼いの注意点を解説した際に、『片方の犬はもう片方の犬の真似をする』というお話をしました。これにはちゃんとしたメリットがあって、二匹目以降は先住犬の真似をしてくれるため、しつけが楽になりやすくなります。もちろん、先住犬のしつけがちゃんと終わっている事が前提ですが、ある程度は多頭飼いの敷居も低くなるでしょう。

特にトイレトレーニングなどの時間のかかりそうなしつけが簡単になる事は大きなポイント。犬次第ではありますが、おなじトイレでも問題ないようであれば、共有させても問題ありません。ただし、子犬はおしっこの頻度も多いため、子犬の段階では別々のトイレを使ってもらった方が犬同士のトラブルを避けられます。

多頭飼いに適した環境作り

犬の多頭飼いを行う時は、頭数に合ったスペースの確保と、万が一騒いでしまった時の防音対策をしっかり整えましょう。特にスペースの確保は、室内でじゃれあっても事故が起きないくらいの広さが必要です。

また、あまり考えたくはありませんが、相性が悪かった時のためにもう一匹飼育できるだけの別空間も用意しておいた方がいいでしょう。

先住犬を優先させる

新しい子を迎え入れると、どうしてもその子ばかりに意識が向きがちです。しかし、多頭飼いは『先住犬を最優先』が鉄則。いくら家族といっても、犬が社会性のある動物である以上、上下関係は必要です。新しい犬ばかり構っていると、先住犬が嫉妬して問題行動を起こしてしまう可能性があります。

食事や散歩、スキンシップなどあらゆる行動は先住犬を優先するようにしましょう。

犬の多頭飼いは入念な準備が必要

犬の多頭飼いそのものは決して悪い事ではなく、むしろ生活に彩りを与えてくれます。しかし、犬同士の相性や飼育費用の倍増など気にするべき点も少なくなく、成功させるためには入念な準備が必要不可欠です。特に先住犬のしつけは、多頭飼いする前の段階で完了させましょう。

また、片方の犬が病気になってしまった際のもう片方の隔離の仕方なども予め覚えておく事をおすすめします。獣医師やペットショップの店員から、事前に注意すべき点を聞いておくのもいいですね。更に充実したペットライフを送るためにも、万全の準備の上で新しい家族を迎え入れましょう。

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